複数税率とFoodingJournal

2019年10月、飲食業においても大きな影響を与えた法制度変更がありました。
そう、軽減税率制度の導入に伴う、消費税の複数税率化です。

店内飲食では消費税率が10%、持ち帰りにおいては消費税率が8%と、2つの税率を扱うようになりました。

店内飲食しか扱わない、または持ち帰りしか扱わないということであれば、単一税率でも運用可能でしたが、コロナ禍の影響により2020年以降、多くの飲食店で持ち帰り販売を行うようになり、複数税率にて運用される店舗が急増いたしました。

コロナ禍で急遽、持ち帰り販売を始めた飲食店においては、複数税率対応への十分な準備をする間もなく運用が開始されたケースも多かったようです。
そのため、実務担当者のマンパワーにてデータの処理をこなしている企業も少なくはないでしょう。

例えば、消費税の税申告においては、売上金額と消費税金額のそれぞれを税率別で集計して申告する必要がありますが、税率別の売上・消費税の区分集計ができない本部システムを利用されていた場合は、手作業で数字を拾い集めて、EXCELにまとめる運用をされている企業も多いようです。

FoodingJournalでは複数税率対策においては法制度施行前から準備しておりましたため、経理処理における複数税率対応においても実務担当者に負担をかけることなく運用可能です。
さらにFoodingJournalでは売上管理帳票で税率別の売上・消費税のデータを出力することだけでなく、オプションにて財務会計システム連携用の仕訳データを出力することで、財務会計システムとのデータ連携を実現することも可能です。

 

軽減税率対応していない券売機の機種でも税率別区分集計に対応

ボタン式券売機の場合、複数税率に対応していない機種は現在でもたくさん利用されています。
券売機には店内・持ち帰りのボタンはあるものの、持ち帰りを印字するだけの簡易な対応にとどまり、データとしては
税率を区分できるようにはなっていない機種が多く存在します。
これらの券売機は、2つの税率を混在させてメニューボタンに割り付けた場合に、税込み売上金額の計算はできるのですが、税率別の売上と消費税の区分集計ができません。
でも、FoodingJournalならばもちろん解決可能です。
税率を持つことができない券売機の売上データであっても、FoodingJournalのメニューマスタにて税率を設定することで
税率別の売上と消費税を自動で区分集計することが可能となっております。

また、最近はテイクアウト用にコンパクトなタブレットPOSレジを導入し、券売機と併用する飲食店も増えてきました。
券売機とPOSの売上を合算することもFoodingJournalでは標準で対応可能です。

 

メニューの分析も今まで通りに

複数税率の運用で、多くの外食企業が頭を悩ませている問題がもう一つあります。
それはメニュー売上の分析において、店内飲食と持ち帰りで2つの商品へ分かれてしまったことによる問題です。
一部のPOSレジにおいては、一つのメニューマスタで2つの税率単価を設定することができますが、多くのPOSレジにおいては一つのメニューマスタでは1つの税率単価しか設定できないようになっています。
また、2つの税率単価が設定できるPOSレジであっても、設定は1つの税率単価のみで運用されている飲食店のほうが圧倒的に多いとも言えます。
一つのメニューで一つの単価で運用した場合(一物一価)、店内飲食と持ち帰りでは別々の商品として集計されることになります。
消費税率が一つしかなかった時代においては、店内飲食も持ち帰りも、税率に違いもなく同じ商品として売上分析することができましたが店内飲食と持ち帰りで税率が異なるようになって、同じ商品であっても、一物一価の運用では別々の商品として集計されてしまうのです。

実はFoodingJournalには、この問題を解決する機能があります。
FoodingJournalにはPOSのメニューコードとは別に、分析用のキーとして使用する「分析用コード」という商品コードをメニューマスタへ紐づけることが可能になっています。メニューコードが異なる2つのメニューであっても一つのメニューとして合算することができるのです。
この分析用コードを利用することで、店内飲食、持ち帰りで2つに分かれてしまった商品を紐づけて、軽減税率制度施行前と同様の分析を可能にします。

仕込み数や発注数を計算する際には、店内飲食なのか持ち帰りなのかを問わず、同じ商品の販売数の合計を必要としますので、このように店内飲食と持ち帰りを商品ごとに合算できる機能は、たいへん重宝し、生産性向上にも寄与できることでしょう。